まっすぐで、輝け。

一緒に練習できると思ったけど、やっぱり、女子たちの指導に回ったゆうやくん。


「いいな…」



「黒澤さん、心の声漏れてるよ」

「え」


サッカー部の子に聞かれてた!?



「あ、ゆうやがさ、その、もしそのよかったら、放課後のこの練習終わった後、この場所で自主練しよーってさ」

そう言って、1枚の紙を渡される。

「櫻公園…。」


「うん。場所分かる?」



「分かります…。でも、何で…」


「え~?それは、本人に聞いたら~?」

なんか、ニヤニヤしてる…。


「ささ!練習しよー!」



何なんだろう。



ギロッ。



あ。女子たちが見てる…。






いつまで私は、この目線に怯えないといけないのだろうか。




もう、怯えるの嫌だな。

だけど、怖いな。










そう言っているうちに、放課後は終わり、メモに書かれた櫻公園に行くことに。



すると、現れたのはゆうやくん一人。


「おまたせ」




「あ、、ゆうやくんだけ??」




「え。そうだけど…。」



うそ。2人で自主練…。



急に心拍が上がる。



「迷惑だった?」



「え、あ、いや!」




『…。』


変な沈黙を作ってしまった。
嘘。2人で自主練って、そんなの嬉しすぎる。


でも、女子に見られたら、私は…。




そんなことをモヤモヤ考えているうちに



「パス練習しよ。」




「うん」





パス練習をすることになった。






2人の間を、静かにボールが転がっていく。




『…。』




どうしよう。どうしよう。

嬉しいのに、頭の片隅に女子たちがよぎる…。



私の本音は、どっちなんだろう。



わかんないよ…。




「やっぱり、できないよ…」


ぼそっとつぶやく。



「…」

ゆうやくんは無言のまま、ただボールをパスしてくる。



でも、だんだんと、距離が近くなってる気がする。



私のパスが下手なんだ…。





「あ、あの…!気を遣わせてごめんなさい。その…迷惑かけたくなくて」



「……。」



ゆうやくんはどんどん近づいてくる。




そして、いつしか、2人の距離は1メートルほどになっていた。



私は、言葉が出なくなった。



「別に。気を遣ってないけど?」
「むしろ、練習したくて来てる」







え。
なにそれ。



「だって、その、みんなにサッカー教えることもしてるから、疲れてるかなって…。」







おそるおそるゆうやくんの顔を見るとーーーーーー









真剣な顔だった。
でも、どこか悲しそうな…。






「優しすぎるだろ」

「黒澤さんと練習するの、落ち着くんだ」







ゆうやくんのまっすぐな目が私を射抜く。



どきん。




ああ。私、本当に好きだ。
モヤモヤしてた考えがどこかへいってしまうーーーー



私の本音は決まってる。



「私も、ゆうやくんといると、安心するよ」





もっと、一緒にいたいんだ。
こんなに居心地がいいのは、はじめてだから。




目が合う2人。






思わず、ゆうやくんは目をそらす


「あーもー。こんなこと言うつもりなかったのに。」

「絶対、他の奴にいうなよ!黒澤さんだから伝えたんだから。………サッカーの仲間として!!!」





「…うん」




心はぽかぽか。


でも、どこか引っかかってる。



<サッカーの仲間…>




私は、何を求めてるんだろう…。



きっと、私の好きは…。







その答えは、出さない方がいい。


今の関係が1番いいんだ。




そう思って、私は、その「好き」を心の奥に閉じ込めた。