「焼そば一つ!!」
「はいよっ」
元気な声の若い女性が焼そばを頼んでいる。
“ちょっと…雪峰先生!”小声で言う若い男性。
“俺達は生徒を指導しに来たんでしょ?焼そばなんか買ってる場合じゃ…”
「わかってます!!だいたい結城先生はっ…」
突然止まった雪峰先生。
「雪峰先生?どうかしました?」
身動きせず、ただ立ち尽くしている。
「……ぃ…と………?」
「え?」
「今、海斗がいたような…」
“海斗”その言葉を聞き、辺りを見回す結城先生。
「ごめんなさいっ見間違えよね。さあっ指導しに行きますよ♪」
短い間にながれた重い空気は消える事がなかった。