遠い目で海を見つめる少年。
美沙はまじまじと見ていた。
「こんばんは♪」
美沙に気付いた少年は笑顔であいさつをする。
まじまじと見てたのが恥ずかしくなり、下を向く。
「…こんっばんは」
ふわふわな黒髪。着ている学ランはこの辺の学校のものではない。何処から来たんだろ?
あれ?蛍は?
いつの間にか辺り一面にいた蛍が姿を消している。
それより、この人…何処かで見たことあるような…
優しいまなざし。低いけど明るい声。
「あの…何処かで会ったことありません?」
あれ?やだっ!なんかナンパみたいっ!!!
「いえっあの…その…」