愛しい君へ〜君が振り向くその日まで〜



そして、待ちに待った約束の土曜日。
久しぶりのお出掛けにわたしは張り切ってお洒落をした。

いつもは仕事用の服装のシンプルなスカートやパンツスタイルばかりなので、久しぶりにワンピースに袖を通す。

耳には揺れるピアスをつけ、髪の毛はハーフアップにした。

すると、テーブルの上でスマホがブブッと振動する。
どうやら、匡からのメッセージのようだ。

『下に車停めて待ってるから!』

わたしは『わかったよー!」』と匡に返信すると、鏡で最終確認をし、久しぶりに少しヒールの高いパンプスを履いて家を出たのだった。

それから階段で1階まで駆け下りると、マンションの正面玄関前には白い車が停まっていた。
太陽の光りが当たりピカピカに輝く、匡の車だ。

わたしは車に詳しくないでよく分からないのだが、そこそこ良い車らしく、匡は大切に乗っているようだった。

わたしは助手席側のドアを開けると、「おはよう!」と言い、助手席に乗り込んだ。
匡の車の中は、甘過ぎない爽やかなホワイトリリーの香りがした。

「おぉ、おはよ!随分と今日は可愛い格好してるなぁ。」

わたしの服装と化粧姿を見て、匡が言う。

「ん?"今日は"?」
「あー、"今日"も!今日も可愛いです!」

匡はそう言い直すと、「さて、行きますか!」と早速車を発進させた。

「場所どのへん?」
「うちの会社の近くなんだよねぇ。こないだ、帰りに見つけたんだぁ。」
「じゃあ、そっち方面向えばいいな。」

匡の車は乗り心地が良く、"そこそこ良い車"と言うのも分かる気がする。

わたしは雲一つない青空が広がる窓の外の景色を眺めながら、ワクワクしていた。

そして車内には、匡が好きでよく聴いている清水翔多(きよみず しょうた)の"花束のかわりにラブソングを"という曲が流れていた。