旬がまた少し、近づく
「俺ってそんなに信じられなかった?」
責める声じゃない。
傷ついた声。
希は首を振る。
「付き合ってる訳じゃないから、わからなかった」
正直な答え。
「会えない時間は、ずっと不安だった」
あの曖昧な関係。
名前のない距離。
幸せな時間の裏で、いつもどこかにあった不安。
旬は目を閉じ、ゆっくり息を吐く。
そして、希を真っ直ぐ見る。
「希のこと、大事だから」
声が震える。
「ちゃんと気持ち伝えたくて」
一瞬、言葉を探す。
「勢いで自分の物にしたくなかったんだ」
拳がわずかに握られている。
「ちゃんと告白するつもりだった」
その言葉に、希は顔を上げる。
旬も震えている。
強くて余裕のある人だと思っていた。
でも今は違う。
彼もまた、必死だ。
「怖かった」
旬の喉が動く。
「このまま会えなくなったらって」
静かな部屋。
東京タワーの光が、二人を包む。
旬もまた、希を失う恐怖と戦っていた。
自分だけじゃなかった。
距離は、もうない。
触れられるほど近いのに、まだ触れない。
壊れ物みたいに。
でもその間にあるのは、疑いじゃなくて
同じだけの、怖さと、想いだった。
旬は、そっと手を伸ばした。
指先で、希の頬を伝う涙を拭う。
優しく、壊れ物に触れるみたいに。
「いや……」
声が低く、少し掠れている。
「俺が早く気持ち伝えてたら、希のこと不安にさせないで済んだのに」
視線が揺れる。
「ほんとに、ごめん」
その謝罪は、取り繕いじゃない。
心の底からの声。
希は首を振る。
でも涙は止まらない。
「俺ってそんなに信じられなかった?」
責める声じゃない。
傷ついた声。
希は首を振る。
「付き合ってる訳じゃないから、わからなかった」
正直な答え。
「会えない時間は、ずっと不安だった」
あの曖昧な関係。
名前のない距離。
幸せな時間の裏で、いつもどこかにあった不安。
旬は目を閉じ、ゆっくり息を吐く。
そして、希を真っ直ぐ見る。
「希のこと、大事だから」
声が震える。
「ちゃんと気持ち伝えたくて」
一瞬、言葉を探す。
「勢いで自分の物にしたくなかったんだ」
拳がわずかに握られている。
「ちゃんと告白するつもりだった」
その言葉に、希は顔を上げる。
旬も震えている。
強くて余裕のある人だと思っていた。
でも今は違う。
彼もまた、必死だ。
「怖かった」
旬の喉が動く。
「このまま会えなくなったらって」
静かな部屋。
東京タワーの光が、二人を包む。
旬もまた、希を失う恐怖と戦っていた。
自分だけじゃなかった。
距離は、もうない。
触れられるほど近いのに、まだ触れない。
壊れ物みたいに。
でもその間にあるのは、疑いじゃなくて
同じだけの、怖さと、想いだった。
旬は、そっと手を伸ばした。
指先で、希の頬を伝う涙を拭う。
優しく、壊れ物に触れるみたいに。
「いや……」
声が低く、少し掠れている。
「俺が早く気持ち伝えてたら、希のこと不安にさせないで済んだのに」
視線が揺れる。
「ほんとに、ごめん」
その謝罪は、取り繕いじゃない。
心の底からの声。
希は首を振る。
でも涙は止まらない。
