いや、助けるべきだ。
怖がってちゃ何にもできない…!
私は氷の入った桶を用意し、そのタオルを冷やすため、中にタオルをつけた。
「う、冷たっ…」
さすが氷。少し手を入れただけで冷たい。
「ま、負けないぞぉー…!」
よく分からないけど負けたくなくて、氷の前で闘志を燃やしていた。
そのせいで病人の前で独り言をブツブツ呟いている変な人になってしまった。
は、恥ずかしい…。
すると寝ていた獣人さんが寝返りをうった。
「ん……、ぁつい…」
どうやら暑いみたいだ。
「た、体温計どっかにあったかな…?」
私は申し訳なく思いながらも生徒会室の救急箱を漁った。
「あった!」
思ったより大きな声が出てしまったようで、獣人さんが起きてしまった。
「だ、誰だ…、お前…!」
しかし、身体が重いようで少しふらつきながら立ち上がった。
そしてこちらへ歩きしてくる。
目の前でその獣人さんは止まり、私は壁に追い詰められてしまった。
獣人さんは私を睨みながら、口を開く。
「お前、この前の人間だな…。生徒会室に何の用だ?次、ここに来たら学園から追い出すと言ったはずだ。」
怖い。
身長的にも私の頭一個分は高い。
そのせいで上から見られる形になる。
しかし、ここで屈するわけにはいかない。
なぜならこの獣人さん、風邪引いてるんだから!
私は獣人さんの目を見つめ返した。
「わ、分かりました。でも、その前に貴方が心配です…!看病だけでもさせてください。」
すると獣人さんは目を大きく見開き、それから怒ったように口を開いた。
「お前もか。ほかの女と同様にあわよくば俺と知り合いになれれば…なんて考えてんじゃないだろうな。ふざけるな。ホントに虫酸が走る…」
そう言いかけた獣人さんはふらりとこちらに倒れてきた。
どうやら熱で限界だったのだろう。
私は壁に背をつけていたので獣人さんに抱きしめられるような形になってしまう。
「あ、あの!だ、大丈夫ですか!?」
そう呼びかけても返事はなかった。
寝てしまったようで、ベッドに運ぶことにした。
どうやって運ぼう…。
とりあえず肩をつかみ、申し訳ないけど、引きずるような形でベッドまで運ぶことができた。
「というか、なんで生徒会室なのにベッドがあるんだろう…?」
必死過ぎて気づかなかったが、この生徒会室、家のように住めそうなものがすべて完備されている。
さ、さすがお金持ちのエリート学校…。
