獣人学校の月の姫




生徒会に入って1週間。


仕事は量が多くて大変だった。

でも、皆と一緒だったからすごく楽しかった。



ある日、いつも通り生徒会室に入ると珍しく誰もいなかった。



「あ、確か皆は私より一つ学年が上だから、今日は課外学習でいないんだった…」


いつもより静かな生徒会室で私は1人、仕事を捌いていた。


すると奥の扉から物音が聞こえた。

誰も…いないはず…。じゃあ…。



「え…、やだ…、おばけ…?やめてください…!食べてもおいしくないです……!」


思わずその辺にあった鉛筆を前に突き出した。

よく考えてみればアホみたいなことをしてる…。




しかし、物音は止まり、静かになった。


な、なんだったんだろう…?

み、見に行く……?



で、でも、安心して仕事をするためには確認を…。

ゆっくりと私はその扉に手をかけた。


ドキドキする心臓をなだめるように深呼吸した。


そして思い切り扉を開けた。



「………え…」


中にはきれいな顔をした獣人の男の子が横になっていた。


「だ、大丈夫ですか…!?ね、熱だ…。ひ、冷やすもの取ってきます…!聞こえてるかな…?」


私はキッチンの方へと走り、氷を持ってきた。



「あ、あのー…、」


!、この人…。


あの、ローくんって呼ばれてた人…、じゃなくて、獣人さん!


この人が起きてしまったら、また私がいることに怒って学園を辞めなきゃいけなくなるかも…。


で、でも、だからといって体調不良の人を放っておくのも…



私は究極の二択を突きつけられた。