再び来てしまった。
さっきと決定的に違うのは横に紅葉ちゃんが居ること。
大きな扉の前で深呼吸する私の背中を紅葉ちゃんは撫でながら扉の取っ手に手をかけた。
ガチャッと大きな扉が開く。
部屋の中にズカズカと入っていく紅葉ちゃん。
私はすぐには入れなかった。
中からは雷飛の声が聞こえる。
「おい!紅葉テメー勝手に入ってくんじゃねぇーよ!」
「うるさいわね!あんたら海空に気づかなかったくせに!」
「……………は……?」
全員の声が重なったのが分かった。
「海空!おいで!」
紅葉ちゃんが優しく声をかけてくれた。
「あ、えっと…、その…」
だめだ。何を言えばいいか分からない。
みんな私を見てる。
なんて言おう…。
迷っていると、紅葉ちゃんが怒ったように口を開いた。
「ねえ、あんた達さ、海空の何を見てきたわけ?あんたらめちゃくちゃ海空に会いたがってたのに、誰ひとり分からないの!?海空への愛はその程度なの!?」
すると魁斗が声を上げた。
「違う!!僕だって、月の姫に会いたかったよ。海空って聞いたとき、確かに思い出がよぎったんだ。でも、あんな事件があったから、僕たちのこと嫌かな、って。思い出さないほうがいいかなって……。それに、もう、会えないと思ったから、期待すると痛い目に遭うことをたくさん知ってたから…!」
泣きながら魁斗は私に向かい直った。
「海空ちゃん、ほんとに申し訳ないと思ってるんだ…。僕、〝海空〟のこと本当に大好きなんだ。海空、キミは月の姫…?」
そう聞かれて正直戸惑った。
でも、ここで本当のことを言わないと後悔しそうな気がした。
そして、目の前の魁斗に笑顔をまた見せて欲しかった。
「うん…。ごめんね、みんなのこと、名前をしっかり覚えてなくて……」 こんなことになって。
そう言おうと思っていた。
でも、それを遮ったのは魁斗だった。
私に抱きつく魁斗。その後ろから霧嗚も、秘嘉瑠も雷飛も続いて抱きしめてきた。
そのせいで私は人間(獣人)お団子状態。周りが見えなくてあたふたしていると紅葉ちゃんが、助けてくれた。
「ちょっと!あんた達、海空が苦しそうじゃない!やめてっ!」
紅葉ちゃんがみんなの頭にげんこつを入れていった。
す、すごい…。みんな頭を痛そうに抑えている。
すると秘嘉瑠が私を見て優しく微笑んだ。
「海空、会えて嬉しい。俺、ほんとに嬉しいんだ。みんなもそう。だから、少しだけ我慢してくれる?」
そう言って綺麗な顔でふにゃりと笑った秘嘉瑠。
その笑顔は昔と変わらない優しいものだった。
すると次は霧嗚が口を開いた。
「なぁ、俺のこと覚えてる…?」
不安そうに聞いてきた霧嗚。
霧嗚は誰よりも精神年齢が高かった。
だから、お兄ちゃんみたいで嬉しかったんだ。
「もちろん!忘れるわけないよ…、なんて、1回忘れといて説得力ないけど……」
すると霧嗚は笑った後、嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれた。
突然、魁斗が思い出した!と言わんばかりに立ち上がった。
「そーだよ!海空、生徒会入ってよ!僕たち、海空が月の姫だったって分かった以上、ほっとけないし。…………取られても困るしね。」
最後は小さな声だったから聞き取れなかったけど、生徒会に勧誘されたのは分かった。
ど、どうしよう…。生徒会に入るか、入らないか。
みんなが私の答えを静かに待っている。
断ることはできる。
少し前の私なら断っていただろうな。
でも、今はみんながいる。
一歩踏み出す勇気も必要だろう。
「私でよければ…、やらせてくださいっ!」
皆はとっても喜んでくれた。
この選択をしてよかった。
そう思えた。
さっきと決定的に違うのは横に紅葉ちゃんが居ること。
大きな扉の前で深呼吸する私の背中を紅葉ちゃんは撫でながら扉の取っ手に手をかけた。
ガチャッと大きな扉が開く。
部屋の中にズカズカと入っていく紅葉ちゃん。
私はすぐには入れなかった。
中からは雷飛の声が聞こえる。
「おい!紅葉テメー勝手に入ってくんじゃねぇーよ!」
「うるさいわね!あんたら海空に気づかなかったくせに!」
「……………は……?」
全員の声が重なったのが分かった。
「海空!おいで!」
紅葉ちゃんが優しく声をかけてくれた。
「あ、えっと…、その…」
だめだ。何を言えばいいか分からない。
みんな私を見てる。
なんて言おう…。
迷っていると、紅葉ちゃんが怒ったように口を開いた。
「ねえ、あんた達さ、海空の何を見てきたわけ?あんたらめちゃくちゃ海空に会いたがってたのに、誰ひとり分からないの!?海空への愛はその程度なの!?」
すると魁斗が声を上げた。
「違う!!僕だって、月の姫に会いたかったよ。海空って聞いたとき、確かに思い出がよぎったんだ。でも、あんな事件があったから、僕たちのこと嫌かな、って。思い出さないほうがいいかなって……。それに、もう、会えないと思ったから、期待すると痛い目に遭うことをたくさん知ってたから…!」
泣きながら魁斗は私に向かい直った。
「海空ちゃん、ほんとに申し訳ないと思ってるんだ…。僕、〝海空〟のこと本当に大好きなんだ。海空、キミは月の姫…?」
そう聞かれて正直戸惑った。
でも、ここで本当のことを言わないと後悔しそうな気がした。
そして、目の前の魁斗に笑顔をまた見せて欲しかった。
「うん…。ごめんね、みんなのこと、名前をしっかり覚えてなくて……」 こんなことになって。
そう言おうと思っていた。
でも、それを遮ったのは魁斗だった。
私に抱きつく魁斗。その後ろから霧嗚も、秘嘉瑠も雷飛も続いて抱きしめてきた。
そのせいで私は人間(獣人)お団子状態。周りが見えなくてあたふたしていると紅葉ちゃんが、助けてくれた。
「ちょっと!あんた達、海空が苦しそうじゃない!やめてっ!」
紅葉ちゃんがみんなの頭にげんこつを入れていった。
す、すごい…。みんな頭を痛そうに抑えている。
すると秘嘉瑠が私を見て優しく微笑んだ。
「海空、会えて嬉しい。俺、ほんとに嬉しいんだ。みんなもそう。だから、少しだけ我慢してくれる?」
そう言って綺麗な顔でふにゃりと笑った秘嘉瑠。
その笑顔は昔と変わらない優しいものだった。
すると次は霧嗚が口を開いた。
「なぁ、俺のこと覚えてる…?」
不安そうに聞いてきた霧嗚。
霧嗚は誰よりも精神年齢が高かった。
だから、お兄ちゃんみたいで嬉しかったんだ。
「もちろん!忘れるわけないよ…、なんて、1回忘れといて説得力ないけど……」
すると霧嗚は笑った後、嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれた。
突然、魁斗が思い出した!と言わんばかりに立ち上がった。
「そーだよ!海空、生徒会入ってよ!僕たち、海空が月の姫だったって分かった以上、ほっとけないし。…………取られても困るしね。」
最後は小さな声だったから聞き取れなかったけど、生徒会に勧誘されたのは分かった。
ど、どうしよう…。生徒会に入るか、入らないか。
みんなが私の答えを静かに待っている。
断ることはできる。
少し前の私なら断っていただろうな。
でも、今はみんながいる。
一歩踏み出す勇気も必要だろう。
「私でよければ…、やらせてくださいっ!」
皆はとっても喜んでくれた。
この選択をしてよかった。
そう思えた。
