クラスのなかで、トクベツ目立つわけじゃない。
かけっこが速いわけでも、勉強がバツグンにできるわけでも、もちろん最高にかわいくて人気者、でもない。
ただ、毎日ふつうに学校に行って、なかよしのそらちゃんと楽しくおしゃべりかなんかして。
放課後は塾でノートをとったり、小テストを受けたりして、そのあとは家に帰って、お母さんのごはんを食べて、お風呂に入って寝る。
そして、また朝がやってくる。
このごろ毎日そんな感じ。
それが、わたし。本当にどこにでもいる、ごくごくふつうの小学六年生の女の子。
星野ひよりです。
趣味は、おにぎりを作ること。特技は、三角フォルムが美しい(って勝手に思ってる)おにぎりを握れちゃうこと。
たまに、塩と砂糖をまちがえるという失敗をしちゃうけど。
この日もふつうの日常がやってくると思ってたんだ――。
※※※
一階のキッチンから、お母さんの元気すぎる声が響く。
「ひよりー! 時間! もうとっくに八時すぎてるわよー!!」
「あっ、はーい! わかってる、いま行く!」
わたしはあわてて部屋を出て、階段を駆けおりた。


