そして俺をここまで連れてきた担任の柴田は、俺の返事を待っているのか横の校長と一緒に俺を静かに見つめ続けている。


何だ、何だ?この男2人に見つめられるというキモイ構図わ・・・


そんな事を考えていると、またもや校長から同意を求められた。


「引き受けてもらえるね」


もはや頼んでいるというより強制的だ。およそ人にものを頼む態度とは思えない高圧的な態度に内心ムッとする。


「あの、先ほどの説明ではいまいち分からなかったのですが・・・」


「つまり君にクラスを統率してもらいたいのだよ」


そうして校長は顔全体に油を浮かせ、まるでガマガエルを思わせる汚い顔を歪ませ笑った。俺はなんとも快な気分に陥る。


おいおい統率っていきなり何の話しだ?勘弁してくれ・・・つまりも何も、本当に俺にはここに自分がいることすら分からない。


「まぁ後の詳しい話は柴田先生に聞きたまえ、何せこれから卒業するまで君達はパートナーのようなものなのだから」


再び校長は例のにたりとする笑みを浮かべ、さっさと俺達を校長室から閉め出した。


唖然とする俺に柴田は一瞬気の毒そうな視線を向け、もう誰も残っていないだろう。ひとまず俺たちのクラス、1年A組に戻ろうと提案された。


教室へ向かう最中で、俺はさっき校長室で受けた説明を頭の中で反芻させる。


しかしどうしても理解できない。こんな事が日本の教育現場で許されるのだろうか?


俺が何か勘違いしていると思いたかった・・・