それは根本的に、相変わらず困った話には変わりないな・・・
千里くんにケータイを返しながら、姫宮さんを少し恨みがましく思った。
「透くん、学校が生徒のブログやプロフを監視している話は知らない?」
そう言われれば確か先生が持ってきたガイダンスにそんなような事が書いてあったような・・・
「確か申請すると端末機が支給されるとかどうとか・・・?」
「そう、それね。ただ学校の端末機を使うとそれこそ学校側に何もかも筒抜け状態になるからさ、だから俺らの場合は自分のケータイかパソコンで管理しているんだけど・・・」
そう言って千里くんは手持ち無沙汰にケータイを開けたり閉めたりしている。
「そういう話を僕にするって事は、僕もA組のブログなりを管理するべきだってことかな?」
「まぁそういう事だね」
椿千里は満面の笑みを俺に向けた。
より間近で見る彼の顔は声や雰囲気の印象よりずっと幼く見えた。
ついついその一風変わった髪型に視線がいきがちだが、椿千里はやはり端正で中性的な面持ちの人物だ。
相手の懐にするりと入ってくる話術はさすが鑑査員に選ばれる素質の人間だと思わせられる。
「簡潔に、僕は管理する意義を知りたいんだけど?」
俺も笑みを浮かべて対応する。
すると千里くんは一瞬虚を突かれたような表情を浮かべ、くっと喉を鳴らした。
「なるほどね、知ってるか透くん?君についている異名」
「・・・いや」
俺はそれを聞いて嫌な予感がして表情を硬くした。
「女殺しだってさ。言い得て妙だね、俺ちょっと今、ときめいちゃった」
全く冗談も大概にしてもらいたいものだ。なおを喉を鳴らし続ける千里くんにもはや素で冷ややかな視線を送ってしまったのは仕方がないだろう。
「おっと、失礼。真面目に話に戻るよ。意義だったね、これはもちろんクラスの状況を確認するための何ものでもないでしょ」
「だろうね」
俺はそう答えながら次の反論を考えていた。
