久保田さんには悪いが、めんどくさい事この上ないな


俺がまさに今挙げつらねた代表例のようなメールの文面に鼻白んでいると、誰か資料室に入ってきた気配がした。


本棚の視覚から現れたのは椿千里だ。


「やぁ、透くん。君の鑑査室ってシンプルだね」


そう言って千里くんは周りを一度見渡した。


そら君の鑑査室と比べればね?


「どうぞ」


内心苦笑いを浮かべながら、俺は椅子を勧めた。ついでに自分は机へと腰を落ち着かせる。


「あっいいよ別に、今日はすぐ済むからさ」


そう言って千里くんは俺と同じように机に背を持たせかけ、なぜかケータイ電話を取り出した。


「今日は姫宮さんと一緒じゃないんだね」


「あぁ何か用事あるんだってさ、ところで透くん。さっそくだけどプロフって知ってる?」


「・・・ブログの仲間みたいなものだよね?」


「何だ知ってるんだ、じゃ話が早いね。もしかして利用してたりする?」


「いや、やってない」


突然始まったこの話題に俺は少し安堵する。


てっきり昨日のマスコットがどうのって話しから入ると思っていたからな。


「じゃまぁご存知プロフね。うちの学校の奴らも結構作ってるよな?3人に1人は利用しているんじゃない?」


そう言って千里くんはケータイを操作し始めた。


「ちなみにブログの方ね、こっちはちょっと需要率が減るかな?まぁ厄介なのはどっちもやってる場合だけど・・・」


そう言って俺にそれまで操作していたケータイを寄越す。


画面には黒を基調としたシンプルなデザインに統一され、中央にはずらりと誰かしらの名前が記されている。


「これは?」


「リンク。ってあぁー何ていうか、これの場合主にD組中心に集めてみた各々のブログへ飛べるコンテンツ?」


千里くんは苦心してそう説明してくれたが、俺はこれがリンクと呼ばれるものだとは理解していた。


聞いたのはこれがどうしたと言うことだ。


「これって昨日言ってたマスコット云々と何か関係があったりする?」


「いや、そっちは関係ないよ。その件についてはミコトが乗り気だから、あいつが居るときに話すってさ」