――――――――――――――

《少年少女の心の闇》

*ひきこもり*

近年、6ヶ月以上自宅(自室)にひきこもって、社会参加をしない若者が増えている。

きっかけとして対人恐怖症・強迫神経症(ノイローゼ)うつ病などがあげられる。

家族・社会との接点がなくなることで、ひきこもり自体が心の傷(心的外傷)となり

もし学校を卒業しても就職せずにそのままひきこもり続けて、

20代〜30代になっても社会に出られないケースが多い。



――――――――――――――


千里は目をつむって軽く体を後ろに反らせた。


妹が・・・千紗が本格的にひきもりになってしまったのは、高校生になってからだ。


中学生の頃から学校には行ったり行かなかったりを繰り返してその気を見せていたが、こうして一日中部屋に閉じ籠るようなことはなかった。


本来ならば同じ日下辺生確妹は、高校前のを直前に控えたみ、あの事件からたぶ心を閉ざし、そうして部屋から出てこなくなった。


まだ一度も学校へは一緒に登校したことがない。


正直自分に鑑査委員制度の話が来た時には、ラッキーだと息巻いたものだ。


誰か別の人になられるよりは、自分で良かったと単純にそう思った。


それにそれだけ人に詮索されたくない事が俺にはあったし、正直家族以外の人間に深く踏み込まれるのは許し難い。


言ってしまえば不快だった。


「千紗・・・」


俺の妹、


双子の片割れ・・・


こいつが社会的に抹消される人間に墜ちていくところを、俺は黙って見ている訳にはいかないんだ。


胸は相変わらず痛さを伴っていたが、随分前から決心している事がある。


今まで見ていた画面を一掃して、改めてメールソフトを立ち上げた。


未開封のメールを開き、早速返事を書き出す。








俺は迷ってないし、今も、これからも、後悔なんてしない。