けれどカシルは、別の意味に捉えたようだった。
「……そろそろ王子から、婚約破棄を言い渡される時期だと思って来たんだけど、案の定、運命は変わらなかった、ということなのね」
「ここは乙女ゲーム『贄姫になっても恋はしたい』の世界だからね。ボクが介入しても、何も変わらなかったよ」
そう、魔女のボクが乙女ゲームの悪役令嬢、ミルドレッド・カーマインとヒロインであるエリアル・アルク男爵令嬢を取り換えても、変わらなかった。
ボクが前世の記憶を取り戻したのは、十八年前。カーマイン公爵家を訪れた人のことだ。ようやく生まれた娘を祝福してほしいとカーマイン公爵に頼まれて行くと、そこには、未来の悪役令嬢、ミルドレッドの愛らしい姿があった。
銀髪に、丸い大きな青い瞳で、興味津々にボクを眺めるミルドレッド。どうやらフードを被った姿が珍しかったらしい。カーマイン公爵家でそのような姿をしているものはいなかったからだ。
祝福を与えても、悪役令嬢である限り、ミルドレッドの未来は明るくない。
「……そろそろ王子から、婚約破棄を言い渡される時期だと思って来たんだけど、案の定、運命は変わらなかった、ということなのね」
「ここは乙女ゲーム『贄姫になっても恋はしたい』の世界だからね。ボクが介入しても、何も変わらなかったよ」
そう、魔女のボクが乙女ゲームの悪役令嬢、ミルドレッド・カーマインとヒロインであるエリアル・アルク男爵令嬢を取り換えても、変わらなかった。
ボクが前世の記憶を取り戻したのは、十八年前。カーマイン公爵家を訪れた人のことだ。ようやく生まれた娘を祝福してほしいとカーマイン公爵に頼まれて行くと、そこには、未来の悪役令嬢、ミルドレッドの愛らしい姿があった。
銀髪に、丸い大きな青い瞳で、興味津々にボクを眺めるミルドレッド。どうやらフードを被った姿が珍しかったらしい。カーマイン公爵家でそのような姿をしているものはいなかったからだ。
祝福を与えても、悪役令嬢である限り、ミルドレッドの未来は明るくない。



