はじめまして、私の知らない婚約者様

「やだ。ブルーノ王子、ミルドレッド様を蔑ろにしていながら、婚約破棄ですって」
「どの口が言っているのかしら」

 令嬢たちが擁護してくれている傍ら、令息たちは別の憶測をし始めていた。

「だが、ミルドレッド様もミルドレッド様もだ。ブルーノ王子を忘れるほど関心がない、というのは……いくらなんでも」
「そうだな。だから婚約破棄を告げに来られても仕方がない」

 すると、令嬢たちの言葉で沈んでいたブルーノが一変。ドヤ顔をこちらに向けてくる。

「聞いたか、ミルドレッド。お前だって努力をしていなかったのだから、俺を非難できまい」
「そもそも非難していたのは、私ではなく、そこの令嬢たち。間違えないでほしい。そして私は婚約破棄を受け入れる。これでいいだろう?」
「り、理由を聞かないのか」