はじめまして、私の知らない婚約者様

「ブルーノ、王子様? なんでここに……」

 驚きの眼差しを向けると、ブルーノはボクに近づいてきた。咄嗟に後退るが間に合わず、腕を掴まれた。さらに脇道に連れ込む、という王子にあるまじき行為をしたのだ。

「何をする。ボクに腹いせでもしたいのか!? いや、そもそも貴殿は謹慎処分を食らっていたはずだが? どうしてここにいる」
「王城で宰相と話していただろう。俺には筒抜けなんだよ」
「っ!」

 思わず身を引くと、背中が壁に当たった。

「あの令嬢に用があったわけじゃないってことか」
「そうだ。まさか本当に魔女だったとはな。いきなり姿を現した時は驚いた」

 つまり、そんなところから付けられていた、というのか。しかも気づかずにいたとは……。