はじめまして、私の知らない婚約者様

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 次にボクが様子を見に行ったのは、あの日、ブルーノの傍らにいた少女だ。

 どうやらブルーノは、ボク……いや、ミルドレッドに婚約破棄を言い渡した後、国王に報告したらしい。
 確かにボクは「面倒な手続きはそっちで勝手にやってくれ」と言ったし、当のミルドレッドはいない。婚約破棄の手続きをしなければ、あの金髪の少女と結婚どころか、婚約さえできないのだ。

 だから仕方がないのだが……やはり怒られたらしい。

「カシルではないが、ボクが原因だからね。一応、見に行くか」

 そう言って、魔女らしく箒に乗って王城へ近づいた。結界が張られているため、許可証を見せる。ミルドレッドの時もそうだが、魔女はこの国で悪とは思われていない。生まれた子どもに祝福を与える存在であるため、あまり規制されていなかった。

 今日も、「王に会わせてほしい」と頼むと、謁見の許可が取れず、代わりに宰相が相手をしてくれた。