恋が生まれた日

翌朝にはすっきりとしていた

いつも通り準備して病院へ向かう

先生達からはずいぶん心配されたが、仕事命の紬は元気をアピールする

今日の予定を確認していると


「お前、大丈夫か?」


と声がする

思ってもみなかった声に思わず「ひっ!」と声を上げる


「なんだ、俺を化け物みたいな扱いしやがって」


とお怒りの返事

「すみません」と謝っておく


橘先生に会うのが気まずい――


指導医だから会わないというのは無理だから、できれば関わりたくなかった

すでに、自覚した気持ちを隠すことができなくなっていた

気を取り直し今日の予定を確認する

午前に回診が入っている

入院中の受け持ちの患者のところへ行き、病状の確認はもちろんだが、世間話もする

医学的な介入だけではなく心も診ていくのが紬のモットーだ


午前の回診が終わり、休憩に行こうとする

そのとき、後ろから紬を呼ぶ声がする


「紬先生!!」


振り返るとそこにいたのは


「......葵ちゃん!」


ずっと忘れることのなかった葵の姿があったのだ

紬は葵のもとへ駆け寄り思いっきりハグをする