手に残る橘先生のぬくもりはまだ消えないでいた
そして紬の鼓動もまだ落ち着いてはいなかった
顔を逸らし、悟られないように隠す
「ちょっと、ごめんな」
首元に寒い空気が触れ胸元にひんやりとしたものが当てられる
「......っ」
びっくりした紬は橘先生を見る
しゃべるなと口だけを動かしている
紬は逃げたかった
間違いなく聞かれてるこの胸の高鳴りを隠す方法が見つからない
抵抗しても無駄だと感じた紬は大人しく聴診が終わるのを待つ
すっと手が離れ布団が整えられる
恥ずかしい紬は布団を顔まで上げる
ふっと鼻で笑う声が聞こえる
胸元に手が当てられトン、トンと規則正しいリズムが刻まれる
すぐ眠気が襲って来る
でも紬は大事なことを忘れていた
「......せんせ?」
「ん?」
「ごはん......」
「ご飯?......お前はほんとに食い意地張ってんなぁ」
お昼に行こうとしていたのを思い出した
自分に構っていたら時間がなくなるのを心配していたのだ
「違う......先生の」
「俺の?......こんな状態のお前を放っておいて飯行けと?
俺はそんなひどい医者じゃないんだけどな」
紬を責めることは一切せず寝ろ、とだけ言う
胸で刻まれるリズムが心地よくて紬は夢の世界へと誘われた
ガラガラと扉を開ける音がする
体が休息を欲している紬に反応する余裕はない
すぐに夢の世界に連れ戻される
——お前の弱ってる姿見ると
どうしていいか分かんねぇんだよ
早く元気になれ——
そんな声が聞こえたような
聞こえてないような
そして紬の鼓動もまだ落ち着いてはいなかった
顔を逸らし、悟られないように隠す
「ちょっと、ごめんな」
首元に寒い空気が触れ胸元にひんやりとしたものが当てられる
「......っ」
びっくりした紬は橘先生を見る
しゃべるなと口だけを動かしている
紬は逃げたかった
間違いなく聞かれてるこの胸の高鳴りを隠す方法が見つからない
抵抗しても無駄だと感じた紬は大人しく聴診が終わるのを待つ
すっと手が離れ布団が整えられる
恥ずかしい紬は布団を顔まで上げる
ふっと鼻で笑う声が聞こえる
胸元に手が当てられトン、トンと規則正しいリズムが刻まれる
すぐ眠気が襲って来る
でも紬は大事なことを忘れていた
「......せんせ?」
「ん?」
「ごはん......」
「ご飯?......お前はほんとに食い意地張ってんなぁ」
お昼に行こうとしていたのを思い出した
自分に構っていたら時間がなくなるのを心配していたのだ
「違う......先生の」
「俺の?......こんな状態のお前を放っておいて飯行けと?
俺はそんなひどい医者じゃないんだけどな」
紬を責めることは一切せず寝ろ、とだけ言う
胸で刻まれるリズムが心地よくて紬は夢の世界へと誘われた
ガラガラと扉を開ける音がする
体が休息を欲している紬に反応する余裕はない
すぐに夢の世界に連れ戻される
——お前の弱ってる姿見ると
どうしていいか分かんねぇんだよ
早く元気になれ——
そんな声が聞こえたような
聞こえてないような
