恋が生まれた日

葵の診察を終えた後、橘先生に呼ばれた


「お前、やりすぎ」


紬はなんのことか分からず聞き返す


「何がですか?」


橘先生はハァと深くため息をつき


「お前は医者だろ?

感情に動かされ過ぎだ」


「いや、そんなつもりは......」


「そんなつもりはなくても

側から見ればそう見える」


紬は橘先生の考えはおかしいと反抗する


「......だって、赤ちゃんは生きようとしているのに」


「分かってる

だからこそ、選ばせてあげるんだ」


真剣な目つきでそう言う橘先生に何も言い返せなかった

どうしたら良かったものか――

紬の頭の中は葵のことでいっぱいだった