産婦人科で研修を初めて1ヶ月が経った
かなり慣れてきたようで診察もスムーズに進んでいる
今日、午前中は回診に行っていた
切迫早産気味で入院中のママさんや、婦人系の病気を抱えた患者など様々いる
紬はどの患者に対しても病気だけでなく、その"人"を診るようにしていた
そのおかげが紬の評判は良く、紬目当てでやってくる人もいた
赤ちゃんの検診の際わざわざ顔を見せにくる人もいるくらいだ
その度に紬は嬉しく、やりがいを感じていた
午後からは外来だ
まずは電子カルテを確認する
以前から妊婦健診で来ている36週、31歳の経産婦
経産婦だと紬の知識を上待っているから学ばせてもらうことも多い
ただこの患者は妊娠高血圧症候群
初産婦だと食事などに気を使うことも多いが経産婦だと経験からか油断してしまうことも多い
ドアがノックされ母親と子どもが入ってくる
「先生、来たよ〜!」
相変わらず、元気だ
この子どもも3年前、ここで産まれたらしい
紬は笑顔で迎える
「こんにちは、相変わらず元気そうですね」
慣れた様子で椅子に座り、鞄を隣のカゴに入れる
軽く談笑してからエコーで胎児の様子を確認する
「うん、赤ちゃんは今日も元気です
もうそろそろですね
楽しみですね」
「うん!」
母親の代わりに子どもが返事をする
お腹のジェルを拭き取って再び椅子に座ってもらう
「赤ちゃんの方は問題なさそうなんですね
ただ、問題はお母さんの方ですよ」
母親は言われちゃった、という顔をする
「体調はどんな感じですか?」
「足のむくみが大変、ゾウの足みたい
あと、頭痛いのも......」
先ほどやった尿検査や血圧の数値などを見せ、少し真剣な顔で説明する
「この数値が物語ってますよ
前回の時からあまり変わってませんね
このままだと赤ちゃんはもちろん、お母さんもリスクある出産になりますよ」
「子どもいるとどうしても難しいのよね」と理解はできる返答が返ってくる
「残り数週なのでできるだけリスクを下げる生活習慣をしてみましょう
分からないことがあったらなんでも聞いてください」
「は〜い」と間の抜けた返事が返ってくる
この診察の間大人しくしていた子どもが手を振りながらドアを開けている
しっかり母親のお手伝いをしている姿に微笑ましくなり手を振りかえす
閉まりきったドアを確認して次の患者の電子カルテを確認していたそのとき――
ドサッ――
何かが落ちる音と「ママーっ!」と叫ぶ子供の声が聞こえた
かなり慣れてきたようで診察もスムーズに進んでいる
今日、午前中は回診に行っていた
切迫早産気味で入院中のママさんや、婦人系の病気を抱えた患者など様々いる
紬はどの患者に対しても病気だけでなく、その"人"を診るようにしていた
そのおかげが紬の評判は良く、紬目当てでやってくる人もいた
赤ちゃんの検診の際わざわざ顔を見せにくる人もいるくらいだ
その度に紬は嬉しく、やりがいを感じていた
午後からは外来だ
まずは電子カルテを確認する
以前から妊婦健診で来ている36週、31歳の経産婦
経産婦だと紬の知識を上待っているから学ばせてもらうことも多い
ただこの患者は妊娠高血圧症候群
初産婦だと食事などに気を使うことも多いが経産婦だと経験からか油断してしまうことも多い
ドアがノックされ母親と子どもが入ってくる
「先生、来たよ〜!」
相変わらず、元気だ
この子どもも3年前、ここで産まれたらしい
紬は笑顔で迎える
「こんにちは、相変わらず元気そうですね」
慣れた様子で椅子に座り、鞄を隣のカゴに入れる
軽く談笑してからエコーで胎児の様子を確認する
「うん、赤ちゃんは今日も元気です
もうそろそろですね
楽しみですね」
「うん!」
母親の代わりに子どもが返事をする
お腹のジェルを拭き取って再び椅子に座ってもらう
「赤ちゃんの方は問題なさそうなんですね
ただ、問題はお母さんの方ですよ」
母親は言われちゃった、という顔をする
「体調はどんな感じですか?」
「足のむくみが大変、ゾウの足みたい
あと、頭痛いのも......」
先ほどやった尿検査や血圧の数値などを見せ、少し真剣な顔で説明する
「この数値が物語ってますよ
前回の時からあまり変わってませんね
このままだと赤ちゃんはもちろん、お母さんもリスクある出産になりますよ」
「子どもいるとどうしても難しいのよね」と理解はできる返答が返ってくる
「残り数週なのでできるだけリスクを下げる生活習慣をしてみましょう
分からないことがあったらなんでも聞いてください」
「は〜い」と間の抜けた返事が返ってくる
この診察の間大人しくしていた子どもが手を振りながらドアを開けている
しっかり母親のお手伝いをしている姿に微笑ましくなり手を振りかえす
閉まりきったドアを確認して次の患者の電子カルテを確認していたそのとき――
ドサッ――
何かが落ちる音と「ママーっ!」と叫ぶ子供の声が聞こえた
