刺繍に込めた本当の幸福

 ——彼女のために、琥珀色の刺繍をほどこしたこと。

 ——彼女にこの世界を見せるため、コバルトの夜を縫い上げたこと。

 ——姿の見えない彼女の、あまりに澄みきった優しさに恋をしたこと。

 ——そして二人の未来を、約束していたことを。

 すべての記憶が色鮮やかに蘇ったとき、シルヴァンは自分の頬に添えられた、目に見えないルミナの手に、そっと自分の手を重ねました。

「……ルミナ。ああ、僕のルミナ」

 不思議なことが起こりました。ドレスという「形」を失ったはずの彼女の姿が、今のシルヴァンには、誰よりも、何よりもはっきりと見えていたのです。

 それは目に見える光ではなく、二人の魂が直接結びついた、「本当の姿」でした。