遠くて近い、あなたの隣で


「きよらちゃん、ごめんね。
大翔から全然連絡来なくて」


お店の閉店時間 10分前 

お客さんは次々と帰っていき
残ったのは私だけになった。



私…
サプライズしないほうが良かったかな…


東京来ないほうが……………







「きよら!!?」



この声…
私の好きな…

私を暖かく包んでくれる…




個室の入り口を見ると
マスクをした彼が立っていた。




「何で…きよら、来てくれたの?」

「大翔…さん…あの…」

あれ、私…
違う、…違う、…

視界がどんどん歪んでいって…


大好きな彼の姿が見えなくなっていって…




「会いたかった…の…
押しかけて迷惑…かけちゃうと思ったんだけど…
お仕事忙しいって聞いてたし…
だけど…だけど…」



大きい彼の身体が私を包み込んでくれる。

あぁ、彼の香りだ…



「きよら、ごめんね。待たせてごめんね。」

「あのね、大翔さんに渡したいものがあって…」



その時、個室の扉が開いた。