高校生を卒業したとて子供には変わりないのに、と今更ながら思ったが、
「父は既にやっていたから遅いくらいだ」
獅帥君にとっては既定路線らしく「そう、なんだ…」と返事を言うしかなかった。
ーーー私が出発する時には獅帥君は傍に居ない。
会いに行こうと思えば会いに行けるだろうし、電話もメールも出来る。
永遠の別れじゃないんだから、是迄だって長く会えなかった事があったじゃない。
余裕余裕。
そう思っているのに、
「嫌だな…」
言葉は真逆の事を言ってしまう。
「綴…」
獅帥君が戸惑っているのを見て「大丈夫分かってるよ」と言って安心させる様に抱き着く。
でも、
「一杯泣いちゃうかも」
困らせたくなっちゃう。
「泣いて泣いて脱水になっちゃうかも」
「…」
私だけ寂しく感じている気がして、厚い胸板に頭をグリグリとしてしまった。
「俺は、」
獅帥君の声が聞こえて顔を上げる。
「綴の方が平気なのかもと思ってた」
「え?」
その言葉と共に、身体がふわりと浮いた。
「わ」
獅帥君が私の身体を持ち上げて、胡座をかいた自分の上に私を座らせた。
「…多少焦っている」
「焦っている?」
「…」
何に焦っているのか。
促す様に黄金の雨降る中でも輝く瞳を見つめていると「もし」と獅帥君が話始めた。



