土師保宇が亡くなったとはいえ、獅帥君達を渇望する人達がそう簡単には諦めないだろうとは思っていた。
だから、獅帥君達が幾ら大丈夫だと言うとしても、心配は消えなかった。特に、これまでされるがままにされてきた獅帥君を知っているからこそ尚の事。
『唐堂』
『うん?』
下げていた視線を上げれば、鉄将君は頬に当てられたガーゼを撫でながら、決意を露わにした強い眼差しで見つめる。
そして、
『約束する。獅帥達は俺が守る』
と、その瞳に負けないほど凛々しくも果敢な声で私に言った。
『…』
『簡単に信じられないだろう。でも俺が、俺達シンカンが、獅帥達だけに背負わせたりしない。そう誓うよ』
シンカン達って事は火渡君達の事も指すのだろう。
そうなんだそっか私…。
キュッと唇を噛む。
鉄将君達の思いを聞いて、この後に及んで未だに行きたくない理由を探していた事に気付かされ、自分が恥ずかしくなる。
それでも、
『頼むよ本当に』
『ああ』
『無理ばっかりする人達だから』
『ああ』
これだけは念押ししたかった。
獅帥君達が誰かの為に、なんて事がこれ以上起きないよう頑張って欲しい。
『だから唐堂も頑張れよ』
軽く笑う鉄将君を見て、
『…埜々ちゃんにもお礼言っておいてね』
『え!』
やっぱりな。
いつも通り内助の功があったらしい。



