過つは彼の性、許すは我の心 肆



 鉄将君は言葉を一度区切って、


『…唐堂は普通の家庭で育った普通に良い奴だからさ、きっと今回海外行く事も何となく見捨てる様に思っちまってると思っているんだろうけど、全然違うからな』


 私が心の奥底で考えている事を言い当てた。

 誰にも言ってはいなかったんだけれどーーー獅帥君達をこの場所に置いて行く事に私が罪悪感を持っていた。

 獅帥君達がそうは思っていないのは分かっている。

 でも心情的には置き去りにする様で、獅帥君達も一緒に連れてきたいのが本音だし、現実では無理なのも分かっているからこそのジレンマもある。


『み、見捨てるって言い方が悪かったよな!けど唐堂はそう思っちゃうだろう?』


 黙り込む私に大慌てで鉄将君が訂正してくるが、間違えていないので『ううん…気持ち的にはそうだよ』と頷く。

 改めて獅帥君達を置いておく自分と、此処に居ると気が狂いそうになる自分。

 そして今日言われた2人の大人の助言。

 モヤモヤが大多発している私に鉄将君は『直ぐに答えなんて出さなくていんじゃないか』と言った。


『え?』

『要は唐堂が心配な事って獅帥達がその、』


 言い辛らそうに鉄将君は、


また(・・)同じ目に遭わされたりする事だろう』


 天條のタブーに触れた。