どうやって 此処に来たのか覚えていない。
気付いたら海のよく見える別荘に居て、自分がやった事を、匡獅に、彼女に、子供達に、何をしたのかだけは覚えていた。
ーーー残酷になった自分には正気に戻る瞬間がある。
それが今更になって訪れて、死にたくなった。
自分の歪さがどれだけの人を傷付けた?
他者の命を弄ぶ事に喜ぶ自分。
決められた偽りの姿で匡獅の傍に居る自分。
好きで傍に居た。
僕を愛して認めてくれる、血以外で繋がった唯一無二の相手。
一生このままでも良いと思った。
例え匡獅が別の女と結婚しようが、子供をつくろうが、お前が幸せならそれでも良いと思った。
お前の血を分けて産まれた子供。
お前は僕の半身だから、僕の子供であると同意義。
初めはおっかなびっくりだったが、接する内に憎さと同時に愛おしさが込み上げた。
最後まで見守りたかった。
我が子と変わりない子供達を僕はーーー地獄に突き落とした。
ただでさえ自分が嫌いだったのに、どうしようも無く自分を殺したくなった。
「そんな風に思ってはいけない」
「っ…」
海辺の別荘の持ち主である兄さん…文啓兄さんはそう、僕を嗜めた。
「それこそ風の噂でお前が死んだと聞いたその子達はどうする」
「…」
「自分のせいだと思うだろう。今は兎に角冷静になれ」



