過つは彼の性、許すは我の心 肆



ーーーそもそもお祖父ちゃんが土師の病院に入院する事になったのは、私がミケとなって暫くしての事。

 元々お祖父ちゃんの病院を変えようかと家族で相談していた時に、私がミケとなった恩恵なのだろう、大病院であるこの病院の先生から直々に連絡を受けて転院する事が出来た。(今思えばお祖父ちゃんが土師保宇に利用されなくて良かった)

 そして更に月日が経って、急に院長がご挨拶したいと言って何だ何だと待っていたら圭三郎さんが現れて目を剥いた。

 若過ぎる抜擢だが、上の人が諸々の理由で受けたがらず、若くて実力があって言う事を聞きそうな圭三郎さんが嫌々引き受けるしかなかったと、凌久君から聞いた。


『きっと下手に動いて保宇みたいに殺されたないのやろう』

『…』

『保宇ご寵愛の孫は死んだし、その親達も気ぃ狂うか、保身に走るかでてんやわんやだしーな』

 
 大きくニュースには取り上げられていないが、土師保宇の死は土師家に大きな影響を与えたらしく、どうやら海外に逃げた人達も居た様だ。

 それだけ惣倉の化け物が怖いのか。


『…泣かないで先輩』


 あれだけ他人を思いやれる人が化け物なんて。


「綴様」

「は、はい!ごめんなさいぼーっとしてて!」

「ふふっ大丈夫ですよ」