きっと随分前からお祖父ちゃんが危惧していたんだろうな、私がああなるのを。
「ーーーもう多分ああはなれないよ」
あのお屋敷で生きて行くのに必要だったけれど、そうなったら私がもう生きていけない。
自分が自分じゃなくなるあの感覚。
気分はとてつもなく良かったが、恐ろしい事をする自分を受け入れてしまっている事に今は恐怖を感じている。
ふと、思った。
「…お祖父ちゃんは、」
「うん?」
「どうして私がああなるって分かったの?」
「…」
危惧していたって事は、お祖父ちゃんは私がそうなる事を想定していた事になる。
予め分かっていたって言う事は…。
考えが行き着きそうになった瞬間、
「そうだね…綴には話しておいていいかもね」
優しげに私の頭を撫でていたお祖父ちゃんの手はいつの間にか止まっていた事に気付く。
見上げた先には真剣に私を見つめるお祖父ちゃんが居て、
「天満月家にはね、幾つか秘密があるんだ」
物語を語る様に話し始めた。
「その1つに天満月家の始祖が天條と同じだったって言うモノがある…これは聞いたかな」
「うん…」
確か静君が私に接触して来た時に木野島君が話していた気がする。
「実際どんな神様かは知らないけれど、その話を聞いて理不尽に思ったよ」



