朝の光は、やわらかく部屋に入りこんでいた。
夜の冷たさはもうなくて、窓の向こうの空は薄い青をしている。
玲央はゆっくり目を開けた。
しばらく天井を見たまま、ぼんやりする。
昨日の夜のことが、少しだけ残っていた。
窓越しに話した月乃の顔。
少し不安そうだった声。
カーテンを開けて、窓を開いた。
隣の窓が、もう開いていた。
月乃は窓枠に両手をついて
大きく息を吸い込んでいる。
髪はきちんと整えられていて、制服ももう着ている。
背筋も、いつもより少しだけまっすぐだった。
玲央「……おはよ」
月乃が振り向き、ぱっと顔が明るくなる。
月乃「おはよう!!」
声がやけに元気だった。
昨日の夜とはまるで違う。
玲央「……大丈夫か?」
月乃「なにが?」
それから、にこっと笑う。
月乃「今日から1年生だもん!」
月乃「頑張らないとね!」
玲央は窓枠にもたれながら、月乃を見る。
朝。
月乃はもう起きている。
いつもなら、まだ布団の中にいる時間だ。
髪も整っていて、制服もちゃんとしている。
それに――
こんなに元気な挨拶をすること自体、珍しい。
元気すぎる。
頑張っているのが、目に見える。
でも。
なんて言えばいいのか、わからない。
やがて、二人は家を出た。
道を少し歩いたところで、雫が待っていた。
きれいに整えた髪に、新しい制服。
ランドセルも背負っている。
雫が手を振る。
雫「おはよー!」
月乃「おはよー!!」
玲央も軽く手を上げた。
雫「月乃、起きられたー?」
月乃「もちろん!」
月乃「起きられたよ!」
月乃「もう1年生だもん!」
また同じ言葉。
そのとき。
月乃の手がぎゅっと握られていることに、雫は気づいた。
自分の手を、強く握りしめている。
小さな拳。
その力の入り方が、少しだけ不自然だった。
雫はちらっと玲央を見る。
玲央も、気づいている。
視線が一瞬だけ合う。
言葉はないが、なんとなく分かる。
“わかってる”
そんな目だった。
道の先には、小学校の校門が見えている。
満開の桜が、朝の光の中でゆれていた。
三人はそのまま、ゆっくり歩いていく。
夜の冷たさはもうなくて、窓の向こうの空は薄い青をしている。
玲央はゆっくり目を開けた。
しばらく天井を見たまま、ぼんやりする。
昨日の夜のことが、少しだけ残っていた。
窓越しに話した月乃の顔。
少し不安そうだった声。
カーテンを開けて、窓を開いた。
隣の窓が、もう開いていた。
月乃は窓枠に両手をついて
大きく息を吸い込んでいる。
髪はきちんと整えられていて、制服ももう着ている。
背筋も、いつもより少しだけまっすぐだった。
玲央「……おはよ」
月乃が振り向き、ぱっと顔が明るくなる。
月乃「おはよう!!」
声がやけに元気だった。
昨日の夜とはまるで違う。
玲央「……大丈夫か?」
月乃「なにが?」
それから、にこっと笑う。
月乃「今日から1年生だもん!」
月乃「頑張らないとね!」
玲央は窓枠にもたれながら、月乃を見る。
朝。
月乃はもう起きている。
いつもなら、まだ布団の中にいる時間だ。
髪も整っていて、制服もちゃんとしている。
それに――
こんなに元気な挨拶をすること自体、珍しい。
元気すぎる。
頑張っているのが、目に見える。
でも。
なんて言えばいいのか、わからない。
やがて、二人は家を出た。
道を少し歩いたところで、雫が待っていた。
きれいに整えた髪に、新しい制服。
ランドセルも背負っている。
雫が手を振る。
雫「おはよー!」
月乃「おはよー!!」
玲央も軽く手を上げた。
雫「月乃、起きられたー?」
月乃「もちろん!」
月乃「起きられたよ!」
月乃「もう1年生だもん!」
また同じ言葉。
そのとき。
月乃の手がぎゅっと握られていることに、雫は気づいた。
自分の手を、強く握りしめている。
小さな拳。
その力の入り方が、少しだけ不自然だった。
雫はちらっと玲央を見る。
玲央も、気づいている。
視線が一瞬だけ合う。
言葉はないが、なんとなく分かる。
“わかってる”
そんな目だった。
道の先には、小学校の校門が見えている。
満開の桜が、朝の光の中でゆれていた。
三人はそのまま、ゆっくり歩いていく。
