そうだ!和木坂課長の写真、撮らなきゃ。
私は不意打ちに和木坂課長の横顔にカメラを向けた。
気配に気づいた和木坂課長は、ニヤリと笑いながら言った。
「俺の写真撮って、どうすんの?」
「あ、えっと・・・」
「寝る前に眺めるとか?」
「今日の記念です!」
「ふーん。記念ならふたりで撮ってもらおうか。」
丁度通りすがったヒョウ柄の服を着た中年女性に、和木坂課長は声をかけた。
「すみません。写真撮って頂けませんか?」
「はいはい。お安い御用やさかい。」
関西弁を使った気のいい中年女性は、和木坂課長のスマホを受け取ると、私達に焦点を合わせた。
「ほら。もっとくっつかなあかんでー。はい、チーズ!」
中年女性は和木坂課長にスマホを返すと、持っていた手提げ袋から飴玉を取り出した。
「ほら。飴ちゃん、あげるわ。」
「ありがとうございます!」
私と和木坂課長は同時にそう言い、顔を見合わせて微笑みあった。
「お姉ちゃん、男前な彼氏やな?しっかりと掴まえとかんとあかんで!」
「は、はい。」
中年女性は私の背中を二回叩くと、意味深な笑みを浮かべ私達の元から離れて行った。



