本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


太陽は高く昇り、その日差しは強かったけれど、秋風がひんやりと吹き抜けて涼しく、絶好のお出かけ日和だった。
待ち合わせ場所は上野動物園の正門前。

JR上野駅の公園口を出て、約束の場所まで人込みをかき分けながら小走りする。
電車の乗り換えが上手くいかなくて、結局時間ギリギリになってしまった。
東京の電車の乗り継ぎは、ちょっとしたダンジョンだ。
いつもなら手を差し出すポケットテッシュ配りのお兄さんに、ごめんなさいのポーズを取って通り過ぎる。

スマホで時間を確認すると、約束した時間の10分前。
息を切らしながら和木坂課長の姿を探すと、入り口の一番右端の壁にもたれて、文庫本を読みながら私を待っていた。