本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


「臼井さんは誰のファンなの?」
「私ですか?」
興味ないくせに、一応聞いてくれるんだ。

「私は・・・要潤さんです。」
「ふーん。奇遇だな。俺の名前も要って言うんだよ?」

そんなこととっくに知ってる。
だから好きになったの。

「もう遅いから帰ろう。タクシーで送る。」
和木坂課長は腕時計を見ると、カウンターチェアから降りた。

「大丈夫です。まだ電車ありますし。」
「いいから送らせて。」

そう言って和木坂課長は、私の頭に軽く手を置いた。
その手の優しさに、心臓がどきんと音を立てる。

和木坂課長はミチルが好き。
それでも臼井千佐として、和木坂課長に近づけたことが嬉しかった。