「え?・・・ちょっ、嘘でしょ?!」
私はスマホを片手に握りしめ、店内のトイレへ駆け込んだ。
トイレの個室に入ったと同時に、スマホの着信音が鳴り響く。
どうする?
無視する?
ええい、出てしまえ。
私は通話ボタンを押し一呼吸したあと、コホンと咳をした。
『もしもし』
『あ、ミチルちゃん?俺、和木坂だけど』
『あ、あー・・・和木坂さん?こんばんは!どうしたんですか?』
『ごめんな。こんな遅くに電話しちゃって。残業、お疲れ様。』
さっきまで酔いつぶれていたとは思えない、落ち着いた優しい声音。
臼井千佐に見せていた子供みたいな情けない姿とは打って変わって、余裕ある大人の対応。



