本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


「やっと終わった・・・」
もう時計は九時を回っている。

私はミチル変身グッズが入った大きなカバンを肩にかけ、事務所を出た。
見上げると、夜空には小さな星達が瞬いている。

本当だったら和木坂課長と一緒に、バーで生牡蠣を食べているはずだったのに。
仕方がない。
代わりにスーパーでカキフライでも買って帰ろうかな。

そう思っていると、後ろから足音が聞こえてきた。
「臼井さん!」

聞いたことのある低音ボイスが私に声を掛けた。
「今、帰り?」

私を小走りで追いかけて来たのは、和木坂課長その人だった。

「わっ和木坂課長!」
「遅くまで大変だな。お疲れ様。」
和木坂課長はそう言うと、いつものように片方の目だけを細めてみせた。

「和木坂課長こそ、毎日お疲れ様です。」