本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


ネイビーのストライプスーツで決めている和木坂課長を遠くの席から眺め、ときめきと切なさが混ざり合った感情で胸が苦しくて押しつぶされそうになる。

「今日の課長、なんかお洒落っすね!もしかしてデートっすか?」
空気の読めない新人君が、周りのヒンシュクの目を物ともせずに大声で和木坂課長を茶化す。

「ま、そんなとこ。」
しかし和木坂課長は嫌な顔ひとつせず、むしろ上機嫌な様子で、そう受け流した。

和木坂課長の机の上は、いつも置かれているファイルが見当たらず、スッキリとしている。
もしかして、ミチルと会うために、仕事量をセーブしている?

そんな和木坂課長のプライベートを知っているのは、この広いオフィスの中でも私ひとりだけ。
そう思うと、ほんの少しの優越感に、心が満たされた。

ああ、このままの姿で和木坂課長の彼女になれたなら、どんなに嬉しいことだろう・・・