本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


とうとうやってきた。
和木坂課長と約束したデートの日。

今日は更衣室のロッカールームに大きなカバンが詰め込まれている。
カバンの中身は、ミチルになるための服やバッグや靴。

いくら私が職場でモブだからといって、気を緩めてはならない。
和木坂課長には私、臼井千佐がミチルだと、決して気付かれてはならないのだ。

だってそんなことがばれたら、私は速攻振られる。
和木坂課長を騙して、なおかつその正体が職場でもっとも暗いウスイサチだなんて知られたら、絶対に振られるに決まっている。

いや、振られるだけでなく、嫌われ、軽蔑され、口さえ利いてもらえなくなるだろう。
そんなの、耐えられない。

だからミチルとしての私は今日をもってこの恋の舞台から退場し、一から臼井千佐を好きになってもらえるように頑張るんだ。