だからその笑顔はニセモノなの。
本物の臼井千佐は明るくなんかない。
もし臼井千佐で参加していたら、和木坂課長はきっと私の事なんて好きにならなかったに違いない。なのに、いま目の前の和木坂課長は、ミチルのことを大真面目に恋しているようだ。
「俺と君は運命の糸で繋がっているんだ。だって君とは初めて会った気がしない。」
それは同じ職場だから。
「俺達、前にどこかで会ったことあるよな?」
「な、ないです。ないです!私、もう失礼します!」
逃げなきゃ。
ここから逃げなきゃ。
今ならいい夢を見させてもらえた、だけで忘れることが出来るはず。



