本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


ば・・・ばれた?
しかし和木坂課長はすぐに目を逸らし、目の前に座る女性と会話をし始めた。

他の女性と話す姿をつぶさに見て、胸がずきんと痛む。
でも今日私は、この婚活パーティーで、誰ともマッチングなんて出来ないのだ。
もちろん和木坂課長とも。

だって私はこの場限定の「幸田ミチル」なのだから。

なんで今日に限って、こんな偶然が起こるの?
そんなことって、ある?

「ね。一番最後に挨拶した男性、めっちゃ格好良くない?私狙っちゃおうかな?」
「い、いいんじゃないですか?」
いや、全然良くない!

「それではフリータイムです。お好きに移動してくださいね。猫ちゃんと戯れながら、気になるお相手とおしゃべりを楽しんで下さい。もちろん猫ちゃんの写真撮影もOKですよ!」

その合図とともに参加者達は椅子から立ち上がり、猫を触りに行ったり、意中のお相手の近くへポジションを取りに動き始めた。

和木坂課長は、早速女性陣に取り囲まれている。
その輪の中にうっとりと和木坂課長をみつめる甘城さんの姿も混じっていた。