「私、甘城貴美子。よろしくね。」
「私は・・・幸田ミチルです。よろしくお願いします。」
偽名を使うのは心苦しいけれど、今日ばかりは仕方がない。
しばらくすると人が集まりだし、全ての椅子が埋まった。
「あ、そろそろ始まるみたい。」
ソファに女性十人、テーブルの向かいの椅子に座る男性十人。
これが本日の参加者全員みたいだ。
男性陣を見渡してみると、猫好きという先入観があるからか、どの人もどことなく優しげに見える。
仕切り役のスタッフが、おもむろに声を張り上げた。
「えー皆さま!お時間が来ましたので、『猫カフェで恋しちゃおうねこんかつ☆』を始めたいと思います!司会の山岸と申します。よろしくお願いします。」
カジュアルな服装ばかりの中、一人グレーのスーツを着た山岸さんが、にこやかに参加者の顔を見渡した。



