本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


ブラウスとタイトスカートを脱ぎ捨て、学生時代のジャージと富士山と漢字で書かれた面白Tシャツに着替え、顔をばしゃばしゃと洗ってメイクを落とすと、完全にオフな私に戻る。
鏡を見ると、薄い顔がさらに薄くなる。

キッチンで即席の味噌ラーメンと冷や奴をささっと作り、ささやかな晩餐を低いテーブルに載せ、手を合わせていただきますと軽くお辞儀をする。テレビを付けると、昨夜とはまた別の動物番組が放送していた。

「わあ。今日はキリン特集だ!」

自宅での私は職場でのウスイサチとはだいぶ違う。
ひとりのときの私は、けっこう陽気だし、元気だし、鼻歌もうたう。

家に帰れば「ウスイサチ」ではなく「臼井千佐」に戻るのだ