本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません



「ただいま・・・」
重く沈んだ気持ちを抱えながらコンクリートの階段を四階まで上り、やっとの思いで我が家の玄関にたどり着いた。

狭い部屋だけど、ここが私の東京でのお城だ。
地方出身の私は、ダメ元で受けた公務員試験に受かり、就職を機に実家を出て、東京での一人暮らしを始めた。

実家から送られてくる食料品を使って日々節約を心掛け、慎ましい生活を送る毎日だ。
その成果もあり、貯金額もそれなりに増え、そろそろ定期に変更しようかと考えている。

私が玄関でパンプスを脱いでいると、部屋の奥から愛猫のマリモがのっそりと姿を現した。

「マリモちゃん。今日もお出迎え、ありがとね。」
「にゃおーん」

マリモは猫の中でも一番人気だと言われているミックスのオス猫。
キジトラ柄のフサフサした毛に抱きつくも、マリモは私の腕からするりと抜けて、また部屋へ戻っていく。ツンデレ猫ちゃんだけど、そんなところも可愛い。