それから十分後。
私は菊江さんとちゃぶ台を挟んで向き合っていた。
ジャケットを羽織って家を出る要さんと一緒に帰ろうとした私を、菊江さんが引き留めたのだ。
「ミチルさんと、もう少し話がしたいんだけど、どうだい?」
「えっと・・・」
「駄目かい?」
菊江さんは目に見えない圧をかけてきた。
「バアちゃん!ミチルちゃんをイジメないでくれよ。」
「そんなことするもんか?ねえ?ミチルさん。」
「はい。」
私は大きく頷くと、要さんの背中を押した。
「要さんは急いでお友達のところへ行ってあげてください。私は大丈夫ですから。」
「適当に切り上げて帰っていいからね?じゃあ行ってくる。」
心配そうな顔をしながらも、要さんはショルダーバックを肩にかけ、家から飛び出して行った。



