要さんのご自宅は、都内の下町にある和風建築な一軒家だった。
築年数は古そうだけれど、門も庭の草木も綺麗に手入れされていて、要さんのお祖母様がしっかりとした老婦人であることを物語っていた。
玄関の扉を開けると、要さんは大きな声で中にいるお祖母様に呼びかけた。
「ただいま。バアちゃん、いる?」
「要かい?お帰り。」
廊下の奥から出迎えてくれたのは、ローリングストーンズの黒いTシャツにジーパンを履いた粋な老婦人で、この方が要さんのお祖母様なのだろう。
玄関に佇む私を見ると、お祖母様は一瞬ギョッとしたような顔をした。
私があまりにもブサイクだから驚いたのだろうか?
しかしすぐに何事もなかったかのように要さんに尋ねた。
「この娘さんかい?デートのお相手は。」
「ああ。紹介するよ。こちら、幸田ミチルちゃん。」
「幸田ミチルです!よろしくお願いします!」
私が頭を下げると、お祖母様はくるりと背中を向けて、「入りな。」とだけ言った。



