ふと見ると、和木坂課長の口元が動いている。
そして、その口が微かに言葉を発した。
「・・・・・・うす・・・さ・・」
・・・・・・え?
今、なんて言ったの?
まさか・・・臼井千佐って言ったの?
どうして?
でもいまはそれよりも大事なことがあった。
・・・今の私って、ミチル?それとも千佐?
私はベッドから飛び起き、ホテル備え付けの鏡の前に立った。
嘘でしょ?!化粧が全部落ちてる!
ミチルじゃなくて千佐に戻ってる!
どうしよう・・・早くミチルに化けなきゃ・・・和木坂課長が目覚める前に。
その瞬間、背後から私を抱きしめる腕が見えた。
鏡を見ると、私の頭ひとつ上に、和木坂課長の眠そうな顔が映っていた。
終わった・・・。



