恋するオトメは超無敵っ!

 準備ができたわたしは、翔くんが橋のそばに歩いていく様子を、サコ爺とともに後ろから見守った。
 橋のそばには、いつのまにか、ひとつの小さな影がぼんやりと立っている。

 遠くからわたしは、ジッと目を凝らした。
 すると、それはねずみ色のような地味な色合いの、ボロボロの着物を着た、髪の乱れたおばあさんだとわかる。

 翔くんは、そのおばあさんの前で、立ち止まった。

「――」

 翔くんに向かって、おばあさんが、口を開いたようだ。
 遠くで様子をうかがっていたわたしには、聞こえない。
 わたしは前のめりになって、耳をそばだてた。
 そして。

「なんじゃ。近くの大学に通う、若いオトコを待っていたのに。まだまだハナたれのガキじゃないか」
「――ガキ?」
「好みの男子大学生にぶつかって、ヨロヨロッとよろめいたところに『大丈夫ですか?』と声をかけてもらうために、ここを狩り場にしているのに。ハナたれのガキは邪魔だ。さっさと失せろ」

 後ろ姿なのに、翔くんが、ぶちっと切れたのがわかった。
 だって、わたしも同じだもの。

 わたしの翔くんを、ガキってバカにしたな!
 それに、どう考えても、このおばあさん、危ない目的を持った都市伝説だよね?
 いまの言葉、アウトだよね?
 斬り祓って、問題なし!

 翔くん、やっちゃって!