恋するオトメは超無敵っ!

 お腹も気持ちも満たされて、わたしは気合満タン。
 ジャンピングばばあが現れるという、橋のそばに戻ってきた。

「ジャンピングばばあの出現条件は、はっきりとわかっていないんですよね。気長に見張るしかないでしょうね」

 サコ爺の言葉に、わたしと翔くんはうなずいた。
 三人で代わりばんこに、ときどき橋を行き来しながら、あらわれるのを根気よく待つ。
 翔くんの刀の鍔鳴りもあるから、見逃しはないはず。
 そう考えて、気がゆるみだしたころ……。

 わたしは、とある音に気がついた。

 カチャ。

 カチャ。
 カチャ。

「――え?」

 わたしは無意識に、翔くんの顔を見る。
 翔くんは、手にしていた刀に視線をチラリと向けて、ゆっくりうなずいた。

「――ああ。ぼくの刀の鍔鳴りだ。くるぞ」

 それを聞いたわたしは、翔くんとサコ爺から、数歩さがる。

 今回のわたしは、最初から、本気の戦闘モードよ!
 都市伝説にこわがってなんか、いられないもの!

 わたしはポケットから携帯コンピューターを取りだすと、急いで無線イヤフォンをはずして、左耳に装着する。
 そして、手のひらの上のコンピューターに命令した。

「HAIナビ! 無人航空機(UAV)モード」

 コンピューターから、にゅっとプロペラが飛びだすと、たちまちドローンとなって、ふわりと浮かんだ。

「ターゲットは、ジャンピングばばあ」
『了解』

 イヤフォンからAIの合成音が聞こえたあと、わたしは、両手のひらを合わせて指を組んだ。
 心を静めるように、そっと九字の呪文を唱える。

「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前……」

 大丈夫。
 いまのわたしは、落ち着いている。
 精神統一とともに、身体能力も爆上がりしている。
 これで、ジャンピングばばあのスピードでも、ついていけるはずだ。