忍者という部分は、翔くんは否定していないみたい。
なので、わたしは、翔くんに説明を続けた。
「そして、忍者は忍びというだけあって、表舞台に立つことはないのよ。主や上司のサポートが、おもな仕事になるの。だから、たとえば、わたしのお母さんば、大きな会社の、社長の秘書をしているんだけれど」
「ふぅん。社長の秘書。へえ……?」
そう言いながら、翔くんは横目で、わたしをじろじろと見る。
母親だとはいえ、秘書って言葉が、わたしに似合わないって目だ。
くっ!
なんだか、悔しいぞ!
「もちろん、普通の秘書の仕事もしているけれど、隠密行動も重要な仕事でね。ライバル会社を出し抜くためには、情報収集も情報操作も必要なんだって」
「へえ~」
「お父さんも、政治家の秘書をしているし。おばあちゃんは引退して、いまは家事を担当しているけれど、おじいちゃんは、自宅にいながらインターネットやコンピューターを使いこなして、あっちこっちの情報系のお手伝いをしているの」
「――いまの忍者って、そんなことをしているんだ。なんていうか、ハイテクだな」
翔くんは、感心したようにうなずいて聞いてくれる。
「でも、忍者って、じつは昔もいまも、情報収集が重要な仕事なのよ。そのうえで、任務をこなせるように、体を鍛えたり、術を使ったりするの」
「術。忍術か! それはちょっと興味があるな」
パッと翔くんが、瞳を輝かせる。
興味を持ってもらえたことで、わたしはとてもうれしくなった。
「忍びの術は、いくつもあるのよ。見せるのは、そのうちにね」
なんて言葉で、わたしは翔くんを焦らしてみた。
本当は、わたしが使える術は少ないし、成功率もそれほど高くない。
一族最強のおじいちゃんに従わずに、いつもサボってばかりだから、精神統一にムラがあるって言われている。
でも、ここで不利なことは言わないほうがいいよね?
嘘をつくわけじゃないもの。
ただ、黙っているだけだもの。
なんて、わたしは悪知恵を働かせた。
まずは、翔くんにパートナーとして――サポート係として、みとめてもらってからよ。
「わたしの一族は、そんな感じなの。なので、わたしも忍びの末裔として、将来はだれかのサポートをする仕事につくのです。そして、そのだれかに、わたしは、翔くんを選んだのです」
さすがに本人を目の前にして、翔くんが好きだから! なんていえないよ。
あくまで恥ずかしくない理由として、わたしはお仕事を強調した。
納得したのか、翔くんは、なるほどね、とつぶやきながらうなずく。
「なので、白いワニの都市伝説で使ったのは、わたしの家に代々伝わる言霊の秘術。精神統一など、一定の条件で発動する、おもに足止めや拘束に使う術なの。きっとサポートとして、翔くんの役に立つと思うなあ……」
そこまで説明したあと、わたしは、小さな声でつぶやくように続けた。
「でも、まだまだ修行中の身だから、これから、使える術は増やしていく予定よ」
ああ、面倒くさくて修行をサボったツケが、こんなところででてきちゃうとは。
いまが、おじいちゃんが普段から言っている、いざというときのためだったかも。
ああ!
もっとマジメに、いろんな術を学んでおけばよかった!
なので、わたしは、翔くんに説明を続けた。
「そして、忍者は忍びというだけあって、表舞台に立つことはないのよ。主や上司のサポートが、おもな仕事になるの。だから、たとえば、わたしのお母さんば、大きな会社の、社長の秘書をしているんだけれど」
「ふぅん。社長の秘書。へえ……?」
そう言いながら、翔くんは横目で、わたしをじろじろと見る。
母親だとはいえ、秘書って言葉が、わたしに似合わないって目だ。
くっ!
なんだか、悔しいぞ!
「もちろん、普通の秘書の仕事もしているけれど、隠密行動も重要な仕事でね。ライバル会社を出し抜くためには、情報収集も情報操作も必要なんだって」
「へえ~」
「お父さんも、政治家の秘書をしているし。おばあちゃんは引退して、いまは家事を担当しているけれど、おじいちゃんは、自宅にいながらインターネットやコンピューターを使いこなして、あっちこっちの情報系のお手伝いをしているの」
「――いまの忍者って、そんなことをしているんだ。なんていうか、ハイテクだな」
翔くんは、感心したようにうなずいて聞いてくれる。
「でも、忍者って、じつは昔もいまも、情報収集が重要な仕事なのよ。そのうえで、任務をこなせるように、体を鍛えたり、術を使ったりするの」
「術。忍術か! それはちょっと興味があるな」
パッと翔くんが、瞳を輝かせる。
興味を持ってもらえたことで、わたしはとてもうれしくなった。
「忍びの術は、いくつもあるのよ。見せるのは、そのうちにね」
なんて言葉で、わたしは翔くんを焦らしてみた。
本当は、わたしが使える術は少ないし、成功率もそれほど高くない。
一族最強のおじいちゃんに従わずに、いつもサボってばかりだから、精神統一にムラがあるって言われている。
でも、ここで不利なことは言わないほうがいいよね?
嘘をつくわけじゃないもの。
ただ、黙っているだけだもの。
なんて、わたしは悪知恵を働かせた。
まずは、翔くんにパートナーとして――サポート係として、みとめてもらってからよ。
「わたしの一族は、そんな感じなの。なので、わたしも忍びの末裔として、将来はだれかのサポートをする仕事につくのです。そして、そのだれかに、わたしは、翔くんを選んだのです」
さすがに本人を目の前にして、翔くんが好きだから! なんていえないよ。
あくまで恥ずかしくない理由として、わたしはお仕事を強調した。
納得したのか、翔くんは、なるほどね、とつぶやきながらうなずく。
「なので、白いワニの都市伝説で使ったのは、わたしの家に代々伝わる言霊の秘術。精神統一など、一定の条件で発動する、おもに足止めや拘束に使う術なの。きっとサポートとして、翔くんの役に立つと思うなあ……」
そこまで説明したあと、わたしは、小さな声でつぶやくように続けた。
「でも、まだまだ修行中の身だから、これから、使える術は増やしていく予定よ」
ああ、面倒くさくて修行をサボったツケが、こんなところででてきちゃうとは。
いまが、おじいちゃんが普段から言っている、いざというときのためだったかも。
ああ!
もっとマジメに、いろんな術を学んでおけばよかった!


