恋するオトメは超無敵っ!

 優秀なAIナビのおかげで、わたしは翔くんたちよりも先に、現場に到着!
 とある大きな建物のそばにある、広い公園の近くだ。

 通りの向こう側には住宅地。
 近くには、小学校の通学路の表示も立っている。
 こんなところで、都市伝説の実体がでたら、そりゃあパニックだわ。

 ウンウンとうなずきながら、そんなことを考えていたら、公園のはしで、一台の車がとまるのが見えた。
 あれはきっと、サコ爺の車だ。
 わたしは急いで、公園の植えこみのかげに、ぴょんと飛びこんだ。
 そのまま、しゃがんで隠れる。

 思ったとおり、車の後部座席から、翔くんがおりてきた。
 そして、運転席からおりてきたサコ爺から、(さや)におさめた刀を受け取っている。

 こんなときだけれど、小学校の外で翔くんと会えるなんて、すっごく嬉しい!
 もうシチュエーションが違うだけで、彼がすごく新鮮に感じちゃう。
 ゆるむ口もとを引きしめながら、わたしは、ふたりの会話に、耳をそばだてた。

「翔くん。最近は、よい天気が続いたので、水は浅いと思いますよ」
「浅い? サコ爺、場所はどこなんだよ。この公園の中か? 池なのか? いったい、どんな都市伝説が実体化したって?」

 どうやら翔くんは、サコ爺から詳しい情報を聞いていないみたい。
 すると、サコ爺は、さらりと答えた。

「ワニですな」
「はい?」
「白いワニですな」
「なんだって?」

 隠れているから表情は見えないけれど、翔くんは不審そうな声だ。
 そりゃあ、ただ「ワニだ」って聞かされても、ピンとこないよね。

「この下水処理場のそばの下水道に、白いワニが現れるそうです。依頼先から、ここのマンホールから入る許可をもらっております」
「いや、ちょっと待てって。それ、本物のワニだろう? どこが都市伝説なんだよ」

 わたしも、翔くんと同じようにうなずきながら、話の続きを待つ。

「翔くん。ペットとして飼われていたワニが、下水道に捨てられたあと、栄養豊富で住み心地のよい下水道で、巨大化したという都市伝説があるのです」

 サコ爺は、わたしにも聞こえるくらいの大きな声で、説明をしてくれた。
 もしかしてサコ爺、わたしがそばで隠れていることに気づいているのかな?

「マジか。それが都市伝説になるのか……」
「何度か白いワニが、このあたりの下水道に逃げこむ姿が、目撃されたそうです。先日、近くの動物園の職員と、警察が下水道内を捜索しましたが、発見できなかったそうです」
「だったら、ワニはいないんじゃないの?」
「でも、翔くん。被害が出てからでは遅いでしょう? この近くには、小さい子どもがいる住宅街。都市伝説は、実際に事件になってはいけないと」
「はいはい。わかっていますよ。その危険領域に達した都市伝説を、こうやって斬り祓いにきているんだってのは」

 翔くんは、サコ爺の言葉を途中で打ち切る。
 わたしは、そお~っと、首を伸ばして、翔くんとサコ爺の様子をうかがった。