花幻郷東北地方。
森の奥の奥。煙花散花の端に到着しそうなくらい、奥の方へくいは進んでいく。
「おい。お前いい加減にしろよ?お前があてがあるっつったから来てみたらなんもねぇただの森じゃねぇか!人里も遠くに見える程度で近寄りもしねぇし!なんなんだよ!!」
歩くだけ歩いて何も言わないくいに、いかりは怒りを露わにする。
そんないかりへむーは無表情で呟く。
「うるさいわよ。少しは静かにしなさい。」
「あぁ"ん!?」
「あなた、私の部屋にある煙花散花の地理本を見ていたのに、花幻郷の東北地方に何があるのかわからないのかしら。」
むーの言葉に、いかりは虚をつかれる。
いかりはむーの助手をしている最中、暇があれば本棚を漁って適当に本を読んでいたのだ。
…まさか気づかれていたなんて。
いかりは目を見開きながら言い訳を探すように頭を掻く。
「…いや、あれは暇だったからパラパラ見てただけで…」
「東北地方。中央地方からこの地方を切り取るように見ると、一見何もない地方に見えるわ。しかし、煙花散花の端の方へ近づくと館が見えてくるの。その館の名前は__魔法使いの館。」
「魔法使いの館…!?おま、それ…!」
「えぇ。名の通り魔法使いを育てるための館よ。」
「いかりちゃん、知らなかったの!?」
「常識だと思ったんだけれどもね。」
いかりの言動に、ひかりとやみはツッコミを入れる。
二人に責められたように感じたいかりは、耳を真っ赤にしながら大声をあげた。
「うるせぇ!」
「し、仕方ないですよ!魔法使いの館はかなりマイナーな書物にしか載っていないんです…!なので、知らなくても__」
「花幻郷最強グループに属しているのなら常識でしょう?花幻郷の中で最高位の私達が、花幻郷について知らないのは言語道断。自分の置かれている立場を、もう少し理解したらどうかしら。」
いかりを庇うために二人の間に入ったしずくの口を縫い付けるように、そして言霊を真っ二つに裂くようにやみは言い放つ。
「ち、ちょっとやみちゃん!それは言い過ぎじゃ…」
やさは場を落ち着かせようと両手をワナワナさせながら呟いたが、そんなもので場は落ち着くわけもなく。
肩を震わせて下を向いていたいかりからプツンという音がしたと同時に、真っ赤にした顔をやみに向ける。
そして、積もった塵を手で薙ぎ払うように荒げた声を出した。
「…お前、流石に言い過ぎだろうが!んだよ自分の置かれた立場を理解しろって!副リーダーだからって今説教すんのやめろよ!」
「じゃあ何?常識知らずの貴方を放置しても良かったのかしら?」
「だからちげぇよ!タイミングだったってんだろうが!!タイミング!今はちゃんはちを救うためにくいに協力してるだけであって、うちはまだ状況がうまく飲み込めてねぇんだ!」
「それが立場を理解しろって言葉に繋がるのよ。」
「だから今のその話してねぇって!!」
「落ち着け、二人とも。」
ヒートアップする二人を、先ほどまで我関せずとしていたくいが言葉で止めた。
いかりは「あァん?」と言いながら、やみは無言だが眉間にしわを寄せながらくいの方を見る。
「やみもいかりも、花幻郷グループの自覚があるのなら公の場で声を荒げて口論をするな。状況が変わりそうだからか錯覚しているが、皆未だ混乱している。それを互いに理解しないと自身の考えもなにも伝わらないぞ。」
そう諭すように言われた二人は、気まずそうに皆を一瞥したのち無言で下を向いた。
二人の行動から反省したのを察したくいは、前方を見つめる。
「もうすぐ魔法使いの館に着く。もしかしたらあの女がいるかもしれない。皆気を__」
「まさかここの存在を知っていたとはね。貴方達には驚かされてばかりだわ。」
異質な声が、鼓膜を震わせた。
声は上空から聞こえた。皆は目を見開いて吸い込まれるように上を見上げる。
そこには、黒いローブを身に纏った女が異様な気配を撒き散らしながら存在していた。
森の奥の奥。煙花散花の端に到着しそうなくらい、奥の方へくいは進んでいく。
「おい。お前いい加減にしろよ?お前があてがあるっつったから来てみたらなんもねぇただの森じゃねぇか!人里も遠くに見える程度で近寄りもしねぇし!なんなんだよ!!」
歩くだけ歩いて何も言わないくいに、いかりは怒りを露わにする。
そんないかりへむーは無表情で呟く。
「うるさいわよ。少しは静かにしなさい。」
「あぁ"ん!?」
「あなた、私の部屋にある煙花散花の地理本を見ていたのに、花幻郷の東北地方に何があるのかわからないのかしら。」
むーの言葉に、いかりは虚をつかれる。
いかりはむーの助手をしている最中、暇があれば本棚を漁って適当に本を読んでいたのだ。
…まさか気づかれていたなんて。
いかりは目を見開きながら言い訳を探すように頭を掻く。
「…いや、あれは暇だったからパラパラ見てただけで…」
「東北地方。中央地方からこの地方を切り取るように見ると、一見何もない地方に見えるわ。しかし、煙花散花の端の方へ近づくと館が見えてくるの。その館の名前は__魔法使いの館。」
「魔法使いの館…!?おま、それ…!」
「えぇ。名の通り魔法使いを育てるための館よ。」
「いかりちゃん、知らなかったの!?」
「常識だと思ったんだけれどもね。」
いかりの言動に、ひかりとやみはツッコミを入れる。
二人に責められたように感じたいかりは、耳を真っ赤にしながら大声をあげた。
「うるせぇ!」
「し、仕方ないですよ!魔法使いの館はかなりマイナーな書物にしか載っていないんです…!なので、知らなくても__」
「花幻郷最強グループに属しているのなら常識でしょう?花幻郷の中で最高位の私達が、花幻郷について知らないのは言語道断。自分の置かれている立場を、もう少し理解したらどうかしら。」
いかりを庇うために二人の間に入ったしずくの口を縫い付けるように、そして言霊を真っ二つに裂くようにやみは言い放つ。
「ち、ちょっとやみちゃん!それは言い過ぎじゃ…」
やさは場を落ち着かせようと両手をワナワナさせながら呟いたが、そんなもので場は落ち着くわけもなく。
肩を震わせて下を向いていたいかりからプツンという音がしたと同時に、真っ赤にした顔をやみに向ける。
そして、積もった塵を手で薙ぎ払うように荒げた声を出した。
「…お前、流石に言い過ぎだろうが!んだよ自分の置かれた立場を理解しろって!副リーダーだからって今説教すんのやめろよ!」
「じゃあ何?常識知らずの貴方を放置しても良かったのかしら?」
「だからちげぇよ!タイミングだったってんだろうが!!タイミング!今はちゃんはちを救うためにくいに協力してるだけであって、うちはまだ状況がうまく飲み込めてねぇんだ!」
「それが立場を理解しろって言葉に繋がるのよ。」
「だから今のその話してねぇって!!」
「落ち着け、二人とも。」
ヒートアップする二人を、先ほどまで我関せずとしていたくいが言葉で止めた。
いかりは「あァん?」と言いながら、やみは無言だが眉間にしわを寄せながらくいの方を見る。
「やみもいかりも、花幻郷グループの自覚があるのなら公の場で声を荒げて口論をするな。状況が変わりそうだからか錯覚しているが、皆未だ混乱している。それを互いに理解しないと自身の考えもなにも伝わらないぞ。」
そう諭すように言われた二人は、気まずそうに皆を一瞥したのち無言で下を向いた。
二人の行動から反省したのを察したくいは、前方を見つめる。
「もうすぐ魔法使いの館に着く。もしかしたらあの女がいるかもしれない。皆気を__」
「まさかここの存在を知っていたとはね。貴方達には驚かされてばかりだわ。」
異質な声が、鼓膜を震わせた。
声は上空から聞こえた。皆は目を見開いて吸い込まれるように上を見上げる。
そこには、黒いローブを身に纏った女が異様な気配を撒き散らしながら存在していた。
